呼吸器の病気ガイド
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肺がん

肺がんについて

ガン発生の原因は「リンパ球による細胞のコピーエラーの処理」が間に合わず、エラーがどんどん増えていくためだと言われています。今回は、そのガンの中でも「肺ガン」について詳しく説明します。

肺がん

肺ガン患者の男女比と、肺ガンの本当の怖さ

「肺ガン患者」という言葉をぱっと聞くと、男性患者をイメージするのではないでしょうか?
そのイメージどおり、肺ガンは特に男性患者が多いガンです。

国立ガンセンターの2008年度の統計によると、男性の肺ガン罹患(りかん)数は55,984人。これに対して、女性の肺ガン罹患数は24,122人と実に倍以上もの差があります。

かつてはこの男女比が3対1だったのですが、女性の肺ガン患者が増えてきており
その理由としては「昔に比べて多くの女性が社会進出をするようになり、そこで喫煙する機会が増えたから」だと考えられており今では、肺ガンは性別にかかわらず、気をつけなければいけないガンになった、といえます。

でも、肺ガンの一番の問題点は、実は患者の多さではなく「死亡者数の多さ」こそが、一番の問題です。

国立ガンセンターの2008年度の統計では、肺ガンで亡くなった人の数は男性が48,610人、女性が18,239人。男女ともに「死亡数が多い部位」のトップが肺、というのが現状です。

これが肺ガンの本当の怖さで、たとえガンになっても、きちんと治れば大丈夫ですが
肺ガンは、その「治すこと」が現状ではまだまだ難しいガンの代表格です。

この死亡数の多さは、肺ガンが初期段階では気付かれにくく、進行してから発見されるケースが多い、というのも大きな理由のひとつとなっています。

では次に、肺ガンとは実際にどういうものかを見て、早期発見のためのヒントを探してみましょう。

肺ガンには2つのタイプがある!?

肺ガンには2つのタイプがある!?

ひと口に肺ガンといっても、どれもこれも同じような状態というわけではありません。肺ガンには、発生部位によって大きく2つのタイプに分けられます。

肺門(はいもん)型肺ガン

肺の入り口付近の太い気管支にガンが出来るタイプです。
これは、特に喫煙者と、喫煙者によるタバコの煙を吸ってしまう受動喫煙者に多い肺ガンです。喫煙によるニコチン摂取などによって気管支がダメージを受けてしまい、そこがガン化して発症します。
肺門型肺ガンは、ガンの位置がちょうど骨や心臓の影になりやすく、X線検査では発見しにくいのですが、痰の細胞を調べたり、気管支に内視鏡を入れることによって発見できます。
また、比較的早期の段階から、咳や痰・血痰などの症状が出るので「自覚しやすい肺ガン」ともいえます。

肺野(はいや)型肺ガン

肺の奥のほうにガンができるタイプです。
これは、たとえ喫煙していない人・受動喫煙の機会がない人でもかかってしまう肺ガンで、今でも原因だと断定できるようなものがないやっかいなガンです。

ですがこの肺野型肺ガンについても、「喫煙者」は非喫煙者よりもリスクが高いといえます。
なぜかというと、タバコのニコチンを軽減しようとつける「フィルター」が原因のひとつではないかと
いわれているからです。フィルターをくぐり抜けた粒子の細かいニコチンは、肺の奥まで届いてしまう可能性があると考えられています。

肺野型肺ガンは、X線やCT検査などをきちんと受けていれば、かなり早い段階から発見しやすいのが特徴です。
ですが、肺門型肺ガンとは逆に、初期の自覚症状がまるでないケースが多い、というのが最大の問題です。

同じ肺ガンでも、タイプによって大きな差があるので注意が必要です。

肺ガンになった、ある患者の体験談

「肺ガンですね。」

医師からこう告知されたSさんは、その瞬間あまりのショックで
目の前が真っ暗になりました。医師から治療方針を聞かされても、
「不健康な生活はしていなかったはずなのに。なのに肺ガンになっ
てしまうなんて、なんで、どうしてなんだ」という気持ちばかり
が出てきてしまい、肺ガンになったことを受け入れられなかったそうです。

自宅でも気持ちの持ちようが分からなくなってしまったSさんは、
ある友達に電話で肺ガンになってしまった事実を告げました。そ
の友達は、過去に父親を肺ガンで亡くしていました。

肺ガンが見つかった時はすでに末期で、手のつけようがなかった
そうです。そんな友達から出た言葉は・・・

「お前の場合はちゃんと治療が開始できる状態なんだから、やっ
てみればいいじゃないか。治療をしない限り治ることは絶対にな
いけど、医者がハッキリ治療方針を出してくれるってことは、治
る可能性があるんだと思うぞ。その段階でガンが発見できたのは、
悪いことなんかじゃなくていいことなんじゃないか?」

Sさんはこの言葉を聞いてハッとしたそうです。

「そうだ、この段階で発見できたからこそ、ちゃんと治療方針を
出してもらえたんだ・・・お医者さんが迷わず治療方針を出して
くれたってことは、それでよくなる可能性が一番高いからだ!」

Sさんの心から迷いは消えました。「私も頑張りますから、その
治療方針どおりでお願いします。」外科手術と抗ガン剤での治療。
術後の痛みや抗ガン剤の副作用に悩まされることもありましたが、
Sさんの治療に対する姿勢は常に前向きでした。

そして・・・

それから3年半。Sさんは現在にいたるまで再発もなく、元気に
仕事をしているそうです。

「友達がくれた言葉で、肺ガンに対して前向きに闘う気持ちにな
れたからこそ、ここまで来られたんだと思います。友達には本当
に感謝していますよ。まずは5年生存、そしてその次は10年生
存を目標にしています!」と笑顔で語ってくれました。

まとめ

肺ガンについてまとめると、

・肺門型肺ガンは、自覚症状が出やすいが、X線検査では発見が難しい。圧倒的に喫煙者・受動喫煙者がかかりやすい。

・肺野型肺ガンは、X線やCT検査などで発見されやすいが、
自覚症状が出にくい。喫煙や受動喫煙の機会がなくてもかかってしまうことがあるが、喫煙者はより発症リスクが高い。

つまり、肺ガン予防には、「喫煙しない、受動喫煙を避ける」というのが何より効果的です。そして、どちらのタイプも早期で見逃さず発見するには、自分の体調をよく観察しておくこと、そして健康診断を定期的に受けることが不可欠です。

肺ガンは数あるガンの中でも死亡者数トップのガンですから「特に怖いガン」というイメージがありますが、もしなってしまったとしても早期発見ができれば、Sさんのケースのようにしっかりと治療できる可能性は充分にあります。

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